2009年12月2日水曜日

シカ時間

前回の続き

崩落した林道から二人で歩きだす。
周囲を警戒しつつ、ゆっくりと歩みを進める。
それにしても銃を持って山道を歩くのは
なかなか体力がいる。

スリングを肩にかけて運べば、
かなり楽なのだが、
それでは迅速な対応ができない。

その点、隊長は前たすき掛けで運ぶことのできる
「サファリ・スリング」を使って楽そうに、
そして即時対応ができるようにしていた。
サボット銃は、重いので
即応体制で銃をまえに抱えて歩くと、
両腕が一気に疲労するからこのアイテムはいいかも。
(隊長の銃は、もちライフルです)

その後30分は歩いただろうか、
林道を車で流していた時よりも
クマの足跡が、少ない。
というか
まったく確認できない。

「クマの足跡、ここら辺にないですね」

「じゃあ、シカでもいたら狙っていきましょうかぁ」

みたいな会話をしつつ、

「シカに後ろを切られる(自分の通った場所、後ろを走る)ことあるかもしれませんから、前だけでなく後ろも気にしてください」

と隊長指導。

ふたたび歩き出すと、
我々の前方に橋が見えて
その向こうが急カーブになっていた。

切り込み隊長(先頭)は私に変わり、
索敵にも力が入る中、左前方の小さな斜面に
中ぐらいのメンタを発見、しかしメンタは
すぐに笹藪の中を走り出す。

これじゃ撃てないなぁ、と思っていると
隊長が口笛を吹き、その音色でメンタが
ぴたっと止まった。

「なに!隊長は、シカの時間を止められるのか?」

などと思いながら、銃を構えて、
数秒固まっているメンタ向かってスコープをのぞくと、
なんと、スコープカバーを開き忘れて
目の前まっくら。
すぐにカバーをパカッとあけて再度狙うも、
メンタは全速力モード・・あらら。

どうやら「シカ止め時間」は
数秒らしい。(というかオマエすぐ撃てよ!)

このとき、ジョジョ第三部最終章、Dioの能力
時間止めスタンドを思い出した(わかんない人すみません)

訓練すれば、自分もシカを止められるようになるのだろうか?
ともかくシカの動きが止まる数秒の間に
やつらにパンチを喰らわせなければいけないのである
(完全ジョジョモード)

ということで、
残念ながらメンタは、藪の中に完全に消えてしまい
私は射撃をあきらめた。

とその後すぐ、
我々の後方からシカがばーっと出てきて
雪でパックされた林道を横切った!

なに、後ろをとられた!?

つづく

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