なに?後ろをとられた?
と言いつつも、これはクマではなくシカ、恐怖感はない。
我々の遠く後ろを横切ったシカが、ある程度の距離で止まる。
佐藤隊長:迅速に射撃準備→発砲。
私:距離で・・・勝手にあきらめ。(実際は130mほど、、ウテヨ)
バーンという隊長専用銃の響き・・当たったか?
着弾時のシカの動きを見ていると
どうやら隊長の弾丸は、どこかに当たっているようだ。
シカが一度、ガクッとしたような感じだ。
しかしシカは、着弾後に猛ダッシュで
笹藪の斜面を登りだし、あっという間に
我々の視界から消えてしまった。
あらら・・・と思って
シカが撃たれたであろう場所へいくと、しっかりと血痕が。
「どこに当たったんだろう??・・とにかく追いかけよう」
そして隊長は、まだ雪が積もりきらない急斜面をがんがん登る。
この時期は、本当に歩くのが大変だ。
笹藪の中に足がズボズボ埋まる。
冬山登山では、まず立ち入らない状況だ
(まあ、厳しいですから)
それでも、血痕がある限りどんなに険しくても
シカを追い続けようとする隊長。
やせ尾根上の地形が、笹+雪のラッセルを更に厳しくし、
体力が消耗する。
「どこまで行ったんだろうか・・血痕はかなり濃いんだけれど」
と、思っていたら尾根の終わり付近、コル上になっている場所で
シカがこちらにケツを見せて死んでいるような感じではないか!
私は、
「いましたー!!!」
と叫んで止め矢を放とうと構えたとたん、
シカはクルッとこちらを見てから
全力で走り出す!!
「なにぃ、、どこにそんなパワーがあるのだァァァ!!」
シカは、尾根からはずれた斜面に飛び込んで
一瞬で見えなくなった。
「いましたー!!!」などと叫ぶ前に撃てば良かった
と反省しつつ、そのままシカの血痕を頼りに、
そうとう急な笹藪斜面を滑り落ちながら、追跡する。
が沢下まで降りてみたものの・・・・シカはいない。
「佐藤さん、シカは沢をつたって降りてったみたいです」
と報告しながら、ぼーっとしていると!
こちらを見た佐藤隊長は、
「あら、そこにいるじゃない」
と指さすのは、
私の3mほど後ろ。
マジィー!!
こんなところにいたのかぁ・・・!!はずかし。
シカを探せ!!
↓ ↓
私は、完全にシカが見えてなかった!
その場所に数分いたのに気がつかなかった・・
思い込みなのだろうか? それともボケボケ?
(隊長に、超笑われたのはいうまでもない)
最後にすごいオチを付けた追跡行だったが、
汗だく、珍プレー(俺の)続出で何とも面白い時間でした。
佐藤隊長も
「なんか、狩猟やっているって感じしましたねぇ」
と満足げな様子。
やはりシカは、自分の足で追いかけるに限りますね!!
※ちなみに隊長の弾丸は、ばっこりネックに入っていました・・が
食道だけを貫通して骨に至らなかったので、この逃走劇となりました。
さすが!隊長!!
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