2011年8月3日水曜日

「美しい嘘をつく」Zeissの双眼鏡

たぶん10年ほど前に購入した
ZeissのDialyt(ダイヤリート)


この双眼鏡は、まだ私が現役戦闘機パイロットだった頃、
どうしても野生動物を見たくて購入したもの。

当時の値段で、11万円ぐらいしたように思う。

ネット上をいろいろと検索しているうちに
このZeissのDialyt 7×42が

抜群に見え味がよい

という評判をよく眼にしたので
熟考の末、、購入。

そして、覗いてみると・・

とにかくよく見えるのである

しかも、それが
「よく見える」だけでなく
「美しい世界として見える」のである。

像が明るいのはわかりやすいが、
解像感も凄く
像の中央部が異常なほどまでの立体感を持っている

のだ。ぜひ一度チャンスがあれば覗いてみるといい。
N社のものとは大きく「見え味が違う」はずである。

いまでこそカメラのMade in Japanは、信頼の証として
誇れるものであるが、双眼鏡の世界は
まだまだドイツ製が幅をきかせている。
 Carl Zeissのマーク

Dialyt 7×42である

Zeissのコーティング技術の印である
T*P*(Tスター、Pスター)
Made in Germanyの刻印が。


当時は、飛行中に使うことなどあり得なかったが
アラスカで飛行している時は、こいつに非常に世話になった。

北極圏をたむろしているカリブーの索敵には
こいつの力がなければ無理であった。
とてもじゃないが肉眼だけでは発見は難しいのだ。

十数マイル先にいるカリブーの大群を
抜群の解像度と明るさで、
条件が悪い中でも、見つけ出してくれたのがこのDialytである。

おかげで、広大なアラスカ北極圏では、
カリブーの群れをかなり発見、識別することができた。

いかにも明るそうな形である。

そう、この双眼鏡は、夜に強い。
肉眼で見えないものが、この双眼鏡だと見えてしまう。
強烈に抜けの良いレンズなので、そこに何がいるのか、
すぐに分かってしまう恐ろしい双眼鏡である。
これで、夜の動物を何度観察したことか。

すでにこの機種

Zeiss7×42B/GAT*ClassiC

は製造中止になった様子で残念だが、
現在も狩猟を中心に大いに活躍しています
(これで見なきゃわかんないようなシカは獲れませんが・・)

私の所有する光学機器の中で
もっとも大事なもの

この見え味は、別の世界を覗いているようなものです


だから・・

あまりにも見え味が良すぎるので

「美しい嘘をつく」

と呼ばれているのです。

機会があればぜひ覗いてみてください。

by Zeiss信者

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